ARGB にすべきか、RGB にすべきか。他の人と一味異なる PC を組もうとすれば、誰もが一度は通る道です。ARGB と RGB にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれのメリットとデメリット、パーツの取り扱い時に注意すべきポイントをご紹介します。
結論からお伝えすると、ARGB(アドレサブル RGB)の方が新しい技術で、高機能です。光らせ方を動的に細かく設定したいなら、ARGB 一択と言えるでしょう。それに比べ、RGB は静的な単色のライティングに使われることが多いです。
たとえば、ARGB ファンと RGB ファンでは、ARGB ファンの方は虹色の全色を使って派手に光らせることができますが、RGB ファンは単色、せいぜい事前に定義されたカラーパターンを繰り返す程度しかできません。
基本的に ARGB の方が優れた技術であり、これから PC を組む方には ARGB がおすすめです。
もっとも、RGB も悪いことばかりではありません。旧式の照明テクノロジーを使ったパーツは、製造が簡単で、長く市場に出回っているため、より安価で手に入りやすくなります。また、動作に最新のマザーボードを必要としません。
では、ARGB は何がそれほど違うのでしょうか。ARGB が RGB と大きく異なるのは、各 LED を個別に制御できる点です。ARGB 規格のパーツには、照明プロファイルをプログラムして制御できる IC(集積回路)が搭載されています。アドレサブル RGB という名前が示すとおり、各 LED を個別にアドレス指定し、即時に完全に制御できるのです。
このマイコン IC は、3 ピン 5V RGB ヘッダーを使用してマザーボードに接続され、システムはもちろん、iCUE ソフトウェアなどのユーザー向け制御ツールとも通信できるようになっています。これにより、RGB 色空間全体にアクセスできるほか、光らせるタイミングの制御や、システム内の他のコンポーネントとの同期が可能になります。カラフルなライティングにこだわるなら、こうしたマイコンを使いこなすことで、まとまりのある演出が可能になります。
ARGB の 1 つの欠点は、RGB より実装コストが高くなりがちであることです。実際のパーツ(ファン、ライトストリップなど)も、やや価格が高めです。とはいえ、一般的には、それによって得られる高度な制御は、追加のコストに見合う価値があると考えられています。
| ARGB | RGB | |
|---|---|---|
| Lighting Effects | Dynamic RGB | Static RGB |
| Color support | Programmable custom color LED | Custom color LED |
| Released | 2017 | 2014 |
| Connection | 5V 3-pin header | 12V 4-pin header |
| Price point | More Expensive | Less Expensive |
コネクターの形状が異なるため、RGB ヘッダーには物理的に接続できない仕様になっています。とはいえ、ARGB デバイスを誤って 12V ヘッダーに接続すると、デバイスに悪影響を及ぼす可能性があるため、むしろこれは好ましい仕様と言えます。アダプターは存在しますが、無理に使うことはおすすめしません。
iCUE AR120 デジタル RGB ファン
CORSAIR iCUE COMMANDER CORE XT
では、CORSAIR iCUE AR120 PWM ファンのような ARGB パーツを持っているにもかかわらず、マザーボードに ARGB ヘッダーがない場合は、どうすればよいでしょうか。その場合は、CORSAIR iCUE COMMANDER CORE XT のような ARGB コントローラーを使用する必要があります。このようなデバイスを使えば、お手持ちのマザーボードをそのまま使いながら、最高クラスのライティングを楽しむことができます。こうしたコントローラーを使うことで、ファンの回転速度についても細かく設定できるようになるため、一石二鳥です。
実際、CORSAIR のファン製品のラインナップを見れば、可能な限り、こうした使いやすさを重視していることがお分かりいただけると思います。CORSAIR のファン製品の大半はマイコンを搭載しているため、ARGB パーツ扱いとなりますが、マザーボードの USB ポートに接続可能です。そのため、マザーボードが ARGB 対応か RGB 対応かを気にすることなく、ライティングを自由にコントロールしていただけます。これも CORSAIR の製品が良い選択肢となる理由でしょう。
さらに、最近発表した新技術の iCUE LINK を使えば、配線の手間が大幅に省けて、組み立てがもっと楽になります。また、制御の自由度も増します。iCUE LINK の詳細についてはこちらをご覧ください。
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